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作って終わりにしないための顧客検証ループづくり ~顧客ヒアリングを「価値検証フェーズ」として組み込んだ話

こんにちは、ABEJAでプロダクト企画に携わる中村です。

今回は「ABEJA Insight for Retail(略称:IfR)」で取り組んだ、 “作って終わり”にしないための顧客検証ループづくりについてまとめます。


🔁 今回整えた流れ

そこで今回、リリース後の顧客ヒアリングを「価値検証フェーズ」として、開発サイクルの中に組み込みました。

流れとしては、以下のような形です。

開発・改善→ 顧客ヒアリング→ PBIの種化/顧客分析→ PBI整理・精緻化→ 次の開発へつなげる

(※PBI→プロダクトバックログアイテムの略)

今回ポイントにしたのは、ヒアリング内容を単なる「感想の共有」で終わらせず、

  • 次の改善候補として残す:PBI化
  • 顧客価値の観点で整理する:定性分析

の2つを並行して進めることです。

具体的には、顧客ヒアリングで出てきた違和感・困りごと・要望などを、まずは「PBIの種」としてそのまま残します。

一方で、同じ内容をKA法なども使いながら整理し、

(※KA法)

  • 本当に解くべき課題は何か
  • 他顧客でも起こりうるか
  • どの価値につながるか

といった観点で分析を行い、次の開発につなげるようにします。

以前は「作ること」が中心になりがちでしたが、今は「作った後に何を学ぶか」まで含めて、プロダクトサイクルとして回し始めています。


🌱 「PBIの種」という考え方

今回、もう一つ大きく変えたのがPBIの扱い方です。

これまでは主にPOやPdMがPBIを起票していましたが、今回からは「PBIの種」という形で、より柔軟な起票の仕組みを導入しました。

ビジネスメンバーに限らず、顧客接点を持つ全員が、気づきや違和感をそのまま残せるようにしています。

特に意識したのは、「まずは声を取りこぼさないこと」です。

そのため、

  • 重複していてもOK
  • 粒度が揃っていなくてもOK
  • 解決策まで整理されていなくてもOK

という形で、入口のハードルをかなり下げています。

※PBI の種をPBI にするフロー(整理・統合など)については別途運用として整備しているため、こちらはまた別の機会に紹介できればと思います。


🌊 実際に感じている変化

まだ運用を始めたばかりではありますが、少しずつ変化も出てきています。

例えば、

  • 顧客の声が次の改善につながりやすくなった
  • 「顧客価値を届けられる」開発・リリースが増えてきた
  • Biz・Dev・PO・PdMで同じ課題を見ながら議論しやすくなった
  • 開発後(スプリントレビューなど)の会話が「作った」ではなく「価値につながったか」に変わってきた

など、プロダクト開発の見方そのものが変わり始めています。

🗣️ 実例:VoC整理から生まれた改善テーマ

ここで一つ、ヒアリングと分析から見えてきた改善の実例を挙げてみます。

KA法でVoCを整理する中で、「数値だけでは分からない現場の判断や背景も一緒に扱いたい」というニーズが見えてきました。

(※KA法)

さらに顧客ヒアリングの中でも、「AIの分析結果にSVや店長の声を追加し、現場の意見を交えながら振り返りたい」という声が上がっていました。

以前であれば単発の要望として流れていたかもしれませんが、

今回は分析結果とヒアリング内容を整理したうえでPBI化し、次の改善サイクルにつなげています。


🧾 まとめ

今回の取り組みは、派手な新機能というよりも、プロダクト開発の“回し方”を整える試みでした。

作って終わりではなく、作ったものを次に活かせる「気づき」や「判断材料」に変えていく。そのループを少しずつ強くしていくのが今回の狙いです。

今後もこのサイクルを改善しながら、より再現性のある形に育てていきたいと思います。

※KA法(KJ法のA型) :集めた定性情報(発言・観察メモなど)を整理し、課題や示唆を抽出する方法

参考(KA法とは):https://popinsight.jp/blog/?p=39265#i

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