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つよつよ自作PC作成日記 ~RTX4090で最強の推論環境を作る~

こんにちは。
2022/09にABEJAに入社したシステムエンジニアの中島です。
本記事はABEJAアドベントカレンダー2022の22日目の記事です!

目次

初めに

本記事では久しぶりにPCを自作したので、実際に行なったことを日記形式で記述します。
余分な記述もかなり多いため、構成やベンチマークを知りたい方はそちらに飛んでいただければ幸いです。

動機

私が使用しているPCは8年前に自作したPCです。
最近ではこんなのとかこんなのとかが出てきていて、
CPUが7世代前、GPUは1080tiの私のPCではパワー不足を感じていました。
その上で、最近では色々な機器が出てきている状況でした。 要約すると下記です。

時は2022年秋、巷ではIntel, AMDの新作CPUが出てきておりNvidiaの新GPUも登場した。
「今は買い時ではない」おじさんの私も、
「今が買い時」おじさんに転換するには十分な理由だった。

0日目

機材購入

IntelCPUが発売された週の休日、新しいPC作成を決めた私は秋葉原の街を歩いていました。
今回のお目当ては13900Kです。
こう申し上げると「GPUを購入する気があるのならば、iGPUなしの13900KFでも良いのでは?」という至極もっともなツッコミをされる方もいらっしゃるでしょう。
しかしながら、自作PCが久しぶりな私は各種デバッグがしやすくなるようGPU取り付け前にも画面確認をしたい思いがありました。

さて、あわよくば新しいIntelCPUを手に入れられるかもと繰り出したものの、
見通しの甘さに打ちのめされることとなりました。
皆様お察しのとおり、見通しの良い方々はきちんと予約購入をしているのです。

お目当ての13900KもMSIのGPUも軒並み売り切れであり、
私はただサンボの牛丼を貪ることしかできませんでした。

このまま何の成果もなく帰ろうと思いながらダメ元で行ったパソコンSHOPアークで私は運命的な出逢いを果たしました。
そうです、13900Kです。

現品限り、予約なしでも購入OKこれを運命と言わずなんと言いましょう。
近くの銀行にお金をおろしに行き即金で購入いたしました。

これでGPUなしでも、ひとまずPCを作成できます。
マザーボード、PCケース、その他揃えなければいけないものを目算します。

そうして店内を見回っていると、またもや運命的な出逢いを果たしました。
そうです、MSIのSUPRIM X 24Gです。

現品限り、予約なしでも購入OKこれを運命と言わずなんと言いましょう。
近くの銀行にお金をおろしに行き即金で購入いたしました。

その後はツクモにも寄ってマザーボード、PCケース、その他を揃えていきます。
店員さんのおすすめを聞きながら、一品一品揃えていく作業はとても楽しいものでした。

1日目

構成

というわけで、序文が長くなりましたが、
最終的に機材構成は下記のようになりました。
これならば、一般的には つよつよな部類に入るでしょう。

CPU: Intel 13900K
GPU: MSI GeForce RTX™ 4090 SUPRIM X 24G
マザーボード: Asrock Z790 Steel Legend WiFi
クーラー: CORSAIR Hydro Series™ H150i PRO RGB 360mm (簡易水冷)
メモリ: Crucial CT2K32G48C40U5 * 2 (DDR5 4800 32GBx4)
M2: WESTERN DIGITAL WD_Black SN850X NVMe SSD WDS200T2X0E (2TB)
電源: 玄人志向 KRPW-PA1200W (1200W)
ケース: Fractal design Meshify2

機材確認

自作PCは久しぶりなので、
説明書を軽く読みながら必要機材/パーツ漏れがないか確認します。
手順が進んでからパーツの抜け漏れを探すのは困難な場合が多いので、
最初の段階で確認するのがベターです。
機材は全部ありました。
ヨシッ!

一日目は夜遅くから作業していたので、下記のみを行なって終えることとします。

  1. マザーボードへのCPU取り付け
  2. ケースへのクーラー取り付け
  3. マザーボードのケースへの取り付け

マザーボードへのCPU取り付け

CPUをケースから取り出して、マザーボードに設置します。
取り立てて難しい工程ではないのですが、CPUを落としてピン折れが発生しかねないので若干慎重に行います。
マザーボードの金具でCPUを固定する際に軽く壊れるんじゃないかというくらいの力が必要で、
LGA1700ソケットに反り問題が発生することを実感します。

ここでついでにCPUクーラー用の補強パネルを仮置きしておきます。
私が知っているCPUクーラーは表側から取り付けるだけでしたが、
最近は裏から補強パネルを入れて固定するようです。

ケースへのクーラー取り付け

今回のエアフローは下記で構成します。
若干負圧寄りに見えますが、前面のクーラーのパワーが高いので正圧寄りだと想定しています。

  • 前面: 吸気 *3 (簡易水冷のラジエーター取り付け)
  • 上面: 排気*3
  • 後面: 排気*1

上記構成とするためケースの前面に取り付けられたファンを外して、
CPUクーラーのファンを取り付けます。

ヨs......ラジエーターはケース前面に取り付けなくてはいけないのでは......?

ヨシッ!

それにしても、今回のPCケースのカスタマイズ性が高いことに驚きます。
最近の主流かもしれませんがドライバー不要でサイドパネルの取り外しができたり、
至る所にケーブル用の穴が空いているのは非常に助かります。
.

メンテナンスがしやすい構造というのは自作する側からすると非常に助かり、
次もまたこのメーカーのケースを購入したくなります。

マザーボードのケースへの取り付け

メモリやM2やらを考慮するとここで固定しなくてもいい気もしましたが、
次の作業まで日を空けること、ケーブルの取り付けを意識しやすいためマザーボードをケースに仮留めします。

ここまでで前半戦終了で後半戦に続きます。

2日目

ここから先は流れ作業です。
CPUクーラーや電源はケーブルで作業がやりにくくなるため後に回します。

  1. メモリ取り付け
  2. M2取り付け
  3. CPUクーラー取り付け
  4. 電源取り付け

ヨシッ!

テスト

ここで一度テストを行います。
本当はもっと前の段階でやってもいいのですが、
ある程度作業の進めやすさを優先してこのタイミングです。
テストはこまめに行うことで問題の切り分けが容易になります。

今回はGPU抜きの構成で電源疎通確認をすることで、
基本的な構成に問題がないか確認します。

さて、というわけで画面が映りません。

テスト失敗 -> 原因調査

こういう時はマザーボードのLED表示を確認するに限ります。
表示を見ると、CPUDRAMに異常があるように見えます。
一回メモリを外してCPUとM2だけ接続して起動します。
さて、まずはCPUのエラーから解決していきます。

原因解決: CPU

CPUとM2だけ接続して起動してもCPUエラー表示が消えないため、
根本的に何かを間違えている可能性を疑います。
※ 機器不良は色々試してから最後の結論とします。

さて、色々見直していると問題の原因は簡単でした。
実は上の写真にも原因が写っています。
そうです、ATX12V*2ケーブルを挿し忘れているためでした。
マザーボードに接続する電源ケーブルはATX24pinとCPUファンだけと誤認していたミスです。
前回のマザーボードにATX12Vケーブルがなかったことも遠因ですが、この辺りに自作PCブランクを感じます。

原因解決: DRAM

DRAMの方は1枚ずつ挿して起動を確認しました。
そうして確かめると、2枚挿しくらいまでは安定するのですが、
3, 4枚目から起動までの時間が少し多めにかかるだけで正常に動作するようでした。
このあたりはDDR5にした影響があるのか、128GBという上限ギリギリの容量にしているためか等の切り分けはできていません。
とりあえず、時間は少しかかるが正常に起動することがわかりました。

GPU取り付け

さて、メインイベントのGPU取り付けです。
見て分かる通り想定よりよっぽどデカいです。
.

Macと比較しても、大きいことがわかります。

これは取り付けの重みでマザーボードが大変なことになりそうです。
しかし、安心してください。
今回はマザーボードに支えとなるアタッチメントがあってですね......
はい、4090の厚みではアタッチメントが取り付けできませんでした。

実際かなり重いので慎重にPCIeに挿し込みます。
PCIeのスロットが悲鳴を上げるのを感じますが、それよりも手を少し挟んで痛いです。
最近の発火事故の元と言われている電源ケーブルを丁寧に接続して疎通確認します。
画面が映りUEFIにもGPUが表示されます。

ヨシッ!

OSインストール

外付けCDドライブにWindows11をセットして起動します。
あとはそのままインストールをすすめましょう。

ヨシッ!

ベンチマーク等

性能が気になる方はお待たせいたしました。 ここからはベンチマーク結果や各種試した結果を残します。

ベンチマーク(cinebench)

まずは定番のcinebenchでCPUのスコアを測ります。
結果は下記です。
ほぼ素で計測したスコアなので、理想値よりは低いですが悪くないスコアですね。

ベンチマーク(FFXVテスト)

こちらも定番のFFXVテストです。
WQHDで20000超えているので、悪くないのではないでしょうか?

Instant NGP(NeRF)

サクッとWSLやら色々をインストールして動かします。
1080TiではカクカクでマインクラフトだったInstant NGP(NeRF)が動きます。
GPU温度も安定していて70度以上に上がりません。
これは近くの構造物を3Dにしてみてもいいですね。

stable diffusion

こちらもサクッとStable Diffusion web UIをインストールして動かします。
サイズは512x512でSampling Stepsを20くらいで出力すると、1枚あたり10秒もかかりません。
こちらもGPU温度が安定していて70度以上に上がりません。
モデルの学習にも手を出してみても良さそうです。
画像はabeja logoでt2iしてみた結果です。

まとめ

久しぶりにPCを自作してみましたが、前回とは色々な規格が変化していて戸惑うことも多かったです。
しかし、パーツ選定から組み立てまで全体的に興味深い工程で、
トラブルがあっても楽しみながら解決できました。
不安だったGPU温度についても安定していて、1ヶ月運用しても今のところケーブルは溶けていません。
最近ではマシンパワーが必要なソフトウェアも多いので、
この機会に対応して色々な技術に備える楽しみができました。
アイニードモアパワー

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