ABEJA でスクラムマスターとアジャイルコーチをしている小川です!
ゾンビスクラムサバイバルガイドの著者の一人であるScrum.orgのBarry Overeemさんがまとめた「The 8 Stances of a Scrum Master」ってご存知でしょうか? スクラムマスターが個人、チーム、組織に貢献するためにどのように振る舞うべきかが詳しく述べられていて非常に勉強になります!
原典はこちら:The 8 Stances of a Scrum Master Whitepaper v2.0
とても良い内容なのですが、あまり日本語で紹介されている感じではないので、ここでぜひご紹介をしたいと思いました。
「The 8 Stances of a Scrum Master」の意訳と抜粋
オリジナルを見ていただくに越したことはないですが、あえて超ざっくりと抜き出すとこんな感じです。
私なりにまとめます
スクラムマスターの役割は多岐にわたりますが、このホワイトペーパーでは主に8つのスタンスを挙げています。スクラムマスターは単なるプロセス管理者ではなく、リーダーシップ、教育、支援、変革の役割を担う存在です。
しかし、注意点があります!
ここで説明されている役割を常にスクラムマスターが行い続けるようではチームの自己管理能力が育ちません。チームが自律的に動けるように成長を促すこともとても重要です(これはチェンジエージェントとしての役割にも当てはまりますね)
スタンス | 概要 | 必要スキルセット | |
---|---|---|---|
1 | サーバントリーダー | チームのニーズを優先し、自己組織化と成長を支援するリーダー。チームが最大限のパフォーマンスを発揮できるように奉仕し、障害を除去し、目的を提示します。 | 傾聴力、共感力、洞察力、コミュニケーション力、説得力、概念化能力 |
2 | ファシリテーター | チームの議論やスクラムイベントを円滑に進行し、成果を最大化する役割。チームが効果的にコミュニケーションし、問題を解決できるように支援します。 | アジャイル知識/経験、スクラム知識/経験、ファシリテーションスキル、企画力 |
3 | コーチ | チームや個人がアジャイルプラクティスを理解し、効果的に適用できるように支援。継続的な学習と自己改善を促進し、チームのパフォーマンス向上を目指します。 | コーチングスキル(傾聴力、質問力、承認力、メタ認知力) |
4 | マネージャ | チームの外部環境を調整し、チームが効率的に作業できるようにサポートを提供。障害の管理、無駄の排除を行います。 | プロジェクトマネジメント能力(課題管理スキル、問題発見/解決力、調整力) |
5 | メンター | 自身の経験と知識を共有し、チームメンバーの成長をサポート。長期的なスキル開発とキャリアの発展を助けます。 | アジャイル経験、スクラム経験、システム開発/企画経験 |
6 | ティーチャー | スクラムとアジャイルの原則を教育し、チームが正しく理解し適用するための基盤を提供。知識を広めることで、チームの効果的な実践を支援します。 | アジャイル知識、スクラム知識、説明力 |
7 | インピディメントリムーバー | チームの進捗を妨げる障害を特定し、迅速に除去。問題解決に積極的に取り組み、チームの生産性と効率を向上させます。 | 洞察力、プロジェクトマネジメント能力(課題管理スキル、問題発見/解決力、調整力) |
8 | チェンジエージェント | 組織全体のアジャイル変革を推進し、文化的なシフトを支援。変化をリードし、チームと組織が新しい方法を受け入れ、成功するための環境を整えます。 | チームビルディングスキル、アジャイル知識/経験 |
上記は非常に簡潔に述べていますので、もしご興味があれば以下の原典(英語)もご参考にしてください。
The 8 Stances of a Scrum Master Whitepaper v2.0
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