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ユーザーに寄り添うQAエンジニアリング  ~ユーザー視点を活かす強み

こんにちは!ABEJAの中村です。

今回は、私がABEJAでQAエンジニアとして6年間にわたり取り組んできた経験、特にユーザー視点を活かしたQAエンジニアリングについてお話したいと思います。

ユーザー視点重視のQAエンジニアとは

QAエンジニアの構成要素 説明
顧客理解 ユーザーの行動やニーズを深く理解し、体験を向上させるための洞察力を養う
コミュニケーション能力 ユーザーの意見や課題をステークホルダーにわかりやすく伝える
広い視点 ユーザビリティを考慮し、製品の改善に活かす視点を持つ
プロダクトライフサイクル アイデアの段階からリリース後まで、プロダクト全体を横断する視点を持つ
チームとの協力 ステークホルダーと連携し、ユーザー視点でプロダクト戦略を構築
ユーザー視点の提案力 ユーザー体験を向上させるための具体的な改善案を提示

ユーザー視点のQAエンジニアの要素は、この表のような内容が挙げられると思います。 では、その要素について具体的に私の経験談からご説明しますね。

QAエンジニアになる前、私は2年間ユーザーサポート業務に従事していました。システムエンジニアの経験はありませんでしたが、この期間に顧客対応や障害の一次対応を通じて、ユーザーを深く理解することができました。同時にシステムのおおまかな仕組みが自然と学べたこともその後の大きい価値となりました。

こうして2年間のサポート業務を経て、私は開発部門に新設されたQAチームのメンバーとなりました。当時「QA」は私にとって未知の領域で手探りではありましたが、興味深く関わっていったのを覚えています。

QAエンジニアは単なるテスターではない

QA業務に携わって改めて感じた、単なるテスターではない、QAエンジニアとしての仕事の面白さがありました。テストは決められた基準に基づいて進められる作業であるのに対し、QAはより広範なアプローチを取ります。

QAエンジニアは、「この仕様をどう改善すればより良い製品になるか」といった視点から提案を行います。

テストがバグをマニュアルに基づいて探す作業に比べ、QAはもっと広い視点でユーザビリティを考慮しつつプロダクトの改善を提案することができるのです。

実体験を通じた共感力とコミュニケーション能力

これまでの経験で感じたのは、実体験を通じた共感力と円滑なコミュニケーションが、QAエンジニアとしての大きな強みだということです。

好奇心旺盛な私は、実際にユーザーの店舗に足を運び、ユーザーの立場でプロダクトを使ってみることで、ユーザーの心理や状況を体感してみることもしばしばありました。ユーザーの視点に立った具体的な改善案を考えるのに大いに役立ちました。

また、ユーザーサポートで培ったコミュニケーション力も、開発チームにユーザーの意見をうまく伝えることに役立ちました。難解な技術用語ではなく、誰に対してもわかりやすく情報を伝えるのも、また私にとって大切なポイントです。

こんな感じで、プロダクトのユーザー体験を向上できると実感しています。

プロダクトの始めから終わりまでを横断する視点

こうして私はQAを通してプロダクトのライフサイクル全体を横断する視点を持つようになりました。アイデアの段階からリリース後まで、ユーザーがどのようにプロダクトを感じるかがいつも頭にあり、迷ったときにはそこに立ち返ります。この視点を持つことで、開発チームだけでなくビジネスチームとも協力し、ユーザー視点でのQAの役割を確立していきました。

要件定義の段階からその使用感を意識し、プロダクトがリリースされた後もユーザーからのフィードバックを収集し、次の改善に生かしています。ビジネスチームとも密に連携し、製品戦略にユーザー視点を反映することで、プロダクトの価値やユーザー満足度をさらに高めることに貢献できていると感じています。

ユーザーの期待を超える体験を提供するために、始めから終わりまで一貫してユーザー中心のアプローチを続けていくことが、プロダクトの成功に直結する大切なポイントだと考えています。

これからのQAエンジニアのあり方と役割

時代は生成AIによってますます進化し続けています。これに伴い、QAエンジニアの役割も変わりつつあります。

AIがテストの効率化を手助けすることで、QAエンジニアはよりクリエイティブな領域にフォーカスできるようになってきています。テスト設計や細かなバグ検出が自動化される一方で、ユーザー体験をより豊かにするための創造的なアイディア出しや、ユーザーの心理を深く理解することが、これからさらに重要な仕事となると感じています。

プロダクトの進化とともにQAは早い段階からプロダクトに関わる必要性があります。未来に向けたこの変化の時代にユーザー視点のQAエンジニアの役割はさらに重要になり、プロダクトの成功の鍵を握ることになるのではないでしょうか。

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