はじめまして!今年、ABEJAに入社しました高崎です!こちらは、ABEJAアドベントカレンダー2022の8日目の記事になります。
今回は、箸休め的に、ABEJAへの入社エントリ(ビジネス職)をお届けします!
この記事で伝えたいこと
- いわゆる文系でもAIの世界で活躍の場がある!むしろこれから
- AIだけでなく、ヒトも大事にしたい。共感してくれたのがABEJA
- 興味がある人は、ぜひABEJAに来てほしい!お話しましょう!
目次
今は何をしている人?
ABEJAのカスタマーサクセス統括部に所属し、プロジェクトマネージャーをやっています。
ABEJAのプロジェクトマネージャーは、AI・DXコンサルタント兼なんでも屋に近いポジション。上流のコンサルタントから、AIモデリング、システム実装まで、一貫して担当します。
もちろん一人で担当する訳ではなく、営業・エンジニア・データサイエンティストの方々と協働しながらです。
ABEJAではAIといった技術を「実装」することを大切にしている会社です。そのため、完全な分業体制ではなく、全体の一貫性が取れる体制を取っています。
元々何をしていた人?
元々はデジタルマーケティングの業界に7年半おりました。
大学生1年の頃、たまたま出会った会社に長期インターンとして入社し*1、学生時代に4年、そのまま新卒入社し3年半働いていました。
デジタルマーケティングの特徴は、取得できるデータ量の多さとリアルタイム性です。インターネット広告でもSEOでも、大量のユーザーデータを分析しては、施策を打ち、またデータが溜まり、分析、施策を繰り返しやっていました。
最近ではGoogle、Metaなどのプラットフォーマーが持つAIがデータを分析し、誰にどんな広告をいつ配信するのか、を自動でやってくれるようになっています。
前職は「デザイン×マーケティング」を強みとするデジタルマーケの会社*3でした。広告を作るにしても、記事を1つ作るにしても、何度もユーザーにインタビューをしたり、フィールドワークをしたりで、ユーザーの気持ちを徹底的に理解した上で、ストーリーをデザインする。デジタルだからこそ、アナログなやり方が通用する。定性的な価値や、いわゆるUXを徹底している会社でした。
自分は、そういった定性的な「アナログさ」の大事さも強く感じながら、デジタルマーケの中ではテクニカルな技術領域が好きだったり、データは大好き、「文系と理系の架け橋」的立ち位置でした。*4
デジタルマーケティングは、先端技術が実装されやすい領域でもあるため、毎年のように実装される新たな技術には飽きなかったですし、豊富なデータに基づくユーザーのリアルタイムな反応を見て、思考を巡らせていくのも楽しかったです。自分に合っている仕事だと思っていました。
もともと、AIには「いいイメージ」を持っていなかった
広告業界にいたためか、AI = レコメンド、最適化といった側面が強く、より人間の選択肢を狭めてしまうものなのではと感じていました(悪く言うと)
例えば、本の買い方のように。Amazonのあの精度の高いレコメンドには非常にお世話になっています(今日も2冊買わされました)。一方で、セレンディピティ的な出会いがあるオフラインの本屋も大事だよね、そんなイメージです。
前者に偏りすぎては、画一的になっていく。後者のように少し外れた新しい出会いも大事だよね、そう思っていました。
そのため、正直あまりいい印象ではなかったです。
便利だけど、それ以外にも大事なのはあるよねと。当時を振り返ると、元々のあまのじゃくな性格も相まって、悪者として見ている節があり、食わず嫌いをしている感じでした。
一方で、
- データ量が多くなればなるほど、精度は上がっていく
- 上手くハマれば指数関数的に効果が出る
- (広告以外でも)人手が不足するなら、導入が加速するのは間違いない
というAIを取り巻く環境や性質も日々の仕事で痛感してました、
「まぁ、便利だから絶対に来るよね。けど、ちょっと距離を置きたいな」そんな感じでした。
AI時代にマーケティングをやっていくとしたら?
そんなことをつらつらと思いながら、マーケターとしての自身の未来をぼんやりと考えはじめたのが社会人2年目〜3年目くらいのことでした(就活をほとんどしなかったため、ここではじめて真面目に考える)
であれば、将来のマーケティングの世界観を想像しつつ、次自分が何をすべきか考えてみようと思いました。
他にもたくさんありますが、自分がメインだと思ったのはこのあたりです。*6
そう考えてみたときに、次なる姿は以下の2パターンだと思いました。
- AIの特徴を知った上で、より効率的にマーケティングができる
- AIがまだできない人間ぽい領域を頑張る
AIが中心になっていくのは必然として、それを扱える人になるか、逆に別の分野を頑張るかでした。自分が選択したのは
「AIがまだできない人間ぽい領域を頑張る」
でした。 「デザイン×マーケティング」を強みにしている会社に所属していたことも強く影響を受けていますし、まだまだAIができないことが多くあることも実感していたからです。
「やるならとことん探求したい」これが自身の性分です。「AIがまだできない人間ぽい領域を頑張る」を自分なりに深められる場所はどこかにないか・・・?探してみました。
よし、大学院(人類学)に行こう
そこでたまたま出会ったのが、北陸先端科学技術大学院大学(JAIST)という、社会人コースのある、国立の大学院大学でした。
本校は石川県ですが、品川に社会人用のサテライトキャンパスがあります。 ここに「ビジネスエスノグラフィ」と言われる分野の研究室があり、半年かけて受験準備をし、合格しました。
(ざっくり)エスノグラフィとは、文化人類学で用いられるフィールドワークの手法および思考法です。研究したい対象を、時間をかけてゆっくりと観察をし、エッセンスを抜き出していく、そんなイメージです。本場の人類学では、研究対象とする土地(場合によってはアマゾンの奥地まで)に2年ほど移り住み、その土地の文化や人間の営みを観察・記述していきます。
人間を観察して、インサイトを獲得していく。ここはまだまだAIでは苦手で、人間がやるべき領域だと思いました。*7
そんなエスノグラフィをビジネスの現場でも応用しよう、というのが「ビジネスエスノグラフィ」。活用の場は広く、技術継承や医療・看護といったセンシティブな領域から、商品開発、最近ではUXリサーチと掛け合わせた研究*8もなされています。
いわゆる文系の領域も「先端科学技術」として研究するJAISTの懐の広さと、人類学という謎に満ちた領域は「やるならとことん探求したい」が性分の自分にとっては、大好物でした。「文系と理系の架け橋」として、AI時代に、人類学という文系寄りな領域から攻めようと思っていました。
嫌いになれないアイツ = AIが頭から離れない
しかし、4月の入学を控えた1月頃から自分の進路について違和感を感じました。
大学院で2,3年かけて本当にやりたいことなのか?
進路のもう一つの可能性として頭の片隅にあったのが、「データサイエンス・AI」でした。
- デジタルマーケで、データサイエンス・AIの可能性は嫌なほど痛感
- デジタルマーケ以外の業界でも実装されてら、社会が確変するのは確実
- 日本の状況からして、ここを担える人材がやらないとまずい
- 自分は元々技術に関心があり、アナログよりもデジタルの方が得意分野
実際に手を動かしてみたりもしました。元々Pythonは独学をしたことがあったので、データ分析のコンペティションに参加したり、最新のAIモデルの仕組みを学んでみたり、GPT-3(OpenAI)を使ってみたり。やっぱり面白いし、これから必要だと感じました。
一度は嫌いになりかけたものの「アイツ、元気にしてるかな・・・」と、ずっと頭の片隅で気にかけており、結局はよりを戻す形になりました。
さらに、データサイエンスやAIの関係者(6,7人くらい)にインタビュー・ヒアリングもしてみました*10。実態を理解したかったからです。
みなさん口を揃えて言っていたのは以下でした。
- 想像以上に実装は進んでいない。テクノロジーとビジネスの現場に大きなギャップがあり、橋渡し役が必要。
- AIの推進 = 画一化されたつまらない世界になる、は誤解を含んでいる。むしろ、自動化できるところは自動化し、より人間がやるべきことに集中すべき
- 日本としては、働き手が減る中で効率化・自動化は急務。
- 日本はまだまだ大国なので、データ量は多い = 有利なAIとは相性が悪くない
特に共感をしたのは、「テクノロジーとビジネスの現場に大きなギャップがあり、橋渡し役が不足している」でした。「文系と理系の架け橋」が求められてると感じました。特に、また、一人の若者としては、日本を再ドライブできる可能性がある分野から、目をそむけることができませんでした。やるべきだと思いました。
人類学・エスノグラフィーの面白さも感じつつも、結果的には自分が得意で貢献ができる方面を選択することにしました。一方で、人類学・エスノグラフィーにたどり着いた「ヒトも大切にする」という思いは、これからも失くさずにいこうと思いました。
その中で出会ったのがABEJA
データサイエンス・AIについての情報収集をしていたときに、ABEJAが主催するイベント*11にたまたま参加しました。冒頭で語られていたのは、以下の「テクノプレナーシップ」の話でした。
データサイエンス・AIの領域に足を踏み入れたいものの、人間ぽさも大事にしたい。そんな自分にとっては、「ここだ!」と直感。
そこからは、すぐにエントリー。無事縁があり、そのまま入社に至りました。
選考途中でも「文系と理系の架け橋」という考えについて、共感・評価をしていただき、入ってからも尊重してもらえています。
実際にAIベンチャーに入ってみて
まだまだ入社から日が浅く、序の口しか見られていない中ですが、AIの世界に入ってみて感じている所感が以下です。
1つ目 ABEJAは「テクノプレナーシップ」を地で行っている会社
ABEJAは10年以上前からAIの社会実装を推進しており、酸いも甘いも、技術だけではうまく行かないことを体で理解している会社だと思います。それがゆえ、 テクノロジー + アントレプレナーシップ = テクノプレナーシップを掲げ、会社全体で体現しようとしています。
こちらにもっと詳しく書かれております!
2つ目 DXやAIの社会実装は進んできているが、まだまだ足りない
ビジネスの根幹になればなるほど、色々な利害が絡んだり、従来のやり方を変える必要があったりと、実装にパワーがいります。だからこそ、テクノロジー + アントレプレナーシップを兼ね備えるABEJAが先陣を切って頑張らねばと思っています。
3つ目 テクノロジーとビジネスの現場の架け橋は、本当に大事
上記のような状況のため、○○%改善しました!だけでは実装が進まないです。戦略や組織を理解した上で、都度テクノロジーを形を変えて導入できる人材が必要です。
4つ目 AIはこれからが本当に面白くなりそう
直近話題のStable DiffusionやChatGPTといった生成系AI。AIの成果が分かりやすく目に見えるようになってきました。ABEJAで長くAIに携わってきたメンバーも「ようやく形になってきた。今年がAI元年かも(笑)」といっていました。これからが本番!
まだまだやるべきことがあり、技術と人間ぽさの両方が大切だ、というのは当初思っていたこととギャップがなかったです。
これから何をしていくか?
DXを推進するプロジェクトマネージャーとして、以下を大事にしていきたいと思っています。
- ビジネスの現場の気持ちを大切にし、AIをしぶとく実装していく
- 技術を深く理解し、AIやデータサイエンスの成果や挙動の説明責任を果たす
技術はJDLAのE資格の取得のために勉強中です(ひ〜)
また、個人としては「AIがまだできない人間ぽい領域」を諦めたわけではなく、継続して勉強をし、何ができるかを考えていこうと思います。
まとめ
つたない文章ですが、読んでいただきありがとうございました!
デジタルマーケ→人類学→AIにたどり着く、と少し遠回りをしましたが、自分にとって大切なものを再確認し、共感してくれる会社と出会えてよかったと思います。
これからのAIでは、自分のような文系寄りの人間も必要とされていると実感しています。似た志を持つ方は、ぜひ↓から採用ページを御覧ください!careers.abejainc.com
*1:当時はマーケティングのマの字も関心がなく、ただプログラミングを勉強したくて、IT企業に入れば誰か教えてくれるだろう、と甘い気持ちで入りました(こら)
*2:https://jp.marketo.com/content/digital-marketing.html より引用
*4:SEOをやっていたので、NLPの分野には元々興味がありました。MeCabで形態素解析をやってみたり、クローラーもどきを作ってみたりと、ここでPythonを学んだのもこの流れです。BERTは、Googleの検索ランキングシステムに組み込まれていたので、AIの勉強をする前から馴染みがありました。
*5:直近の広告疲れから、将来的には、産業革命の技術革新から「デザイン」が生まれたのような話が再来するのでは、など。 アーツ・アンド・クラフツ運動 - Wikipedia
*6:デジタルマーケにおける大きな動きとしては、リテールメディアの台頭、個人情報保護・プライバシーの法的強化、チャネルの多様化(OMO)等々
*7:最近では、この本が話題になっていました Anthro Vision(アンソロ・ビジョン) 人類学的思考で視るビジネスと世界 | 日経BOOKプラス
*8:現役のUXデザイナーもゼミに所属していました。なぜ今社会人大学院に行くのか?|mihozono|note
*9:試験はプレゼン。入学後の研究計画を配属予定のゼミ教授と作っていくスタイル。
*10:知り合いづて or ビザスクを使って、コンサルティングファームの方から、大手企業のAI担当の方まで捕まえて話を聞きました
*11: